美術部、展覧会、改修、クラウドファンディング。


美術部、展覧会、改修、クラウドファンディング。

月に1度のペースで前橋に通っている。アリスの広場の活動はここ数年で多岐に渡るようになり、1度の滞在でやらなければならないことも多い。今回も展覧会準備、美術部の活動、拠点の改修、クラウドファンディングの宣伝と、忙しく日々を過ごした。

これまで行ってきた美術部の活動で言えば、Yさんが引きこもっていた8年間に続けていたタティングレースをミュージアムショップで扱ってくれることになり、売れ行きも順調とのことが嬉しい。少しでも生活の足しになればと始めたが、金銭のことよりも社会的に認められることの実感が彼女にとっては大きな経験となっているように思う。

クラウドファンディングでは目標としていた200万円に近い資金が集まり、これからの拠点改修に追い風となっている。連日の拠点作業もその後押しを受けて、速度を増して進んでいる。

展覧会「前橋の美術2020」では、美術館から離れ、町中展示としてこの新拠点の作業風景をメンバーの等身大パネルとともに、ショーウィンドウ越しに見てもらうことにした。当初の予定では新拠点のオープニングパーティーをするつもりだったのだが、結局間に合わずにそのままの現場を見てもらうことにした。共に作る展示は楽しかったが、ひきこもり・LGBTと呼ばれる彼らにとって、自分を公に表明することの勇気を改めて感じる。

今回の滞在では連日拠点の作業をしていたが、彼らと作業を共にして、食事をして、これまであまりできなかった対話の時間を多く持つことができた。アリスの若者達は口数は少ないが、寒い場所で毎日地味な作業を黙々と行っている。僕も連日の作業で疲労感を感じたが、その疲労感とは別の不思議な多幸感を覚えている。

まちのほけんしつプロジェクトhttps://readyfor.jp/projects/matihoke

 (執筆・投稿 滝沢達史)

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