WS(13) 子ども育成会クリスマス会


南橘町子ども育成会クリスマス会

クリスマスツリーとクッキーの飾り付け

夏休みのレクリエーションに続き、子ども育成会からクリスマス会に呼んでいただいた。クリスマスツリーの飾り付けをしながら、会場の飾り付けをしつつ、午後のクリスマス会では司会をすることになった。さらにこちらからの提案として、スペシャルイベントにお菓子作家を呼んでのアイシングクッキー作りをすることになった。
当日はまず集まった子どもたちと自治会の倉庫にクリスマスツリーを取りに行った。今までボイラー室か何かかと思っていた建物が実は倉庫だったとは!(そして同じような建物を中学時代の写生大会で描き、銀賞か何かをもらったことがある。)
クリスマスツリーはしばらく飾っておくものなのかと思いきや、午後の会が終わると同時に片付けられるものだった。はじめはこのツリーに飾るオーナメントなどを工作するのかと思っていたが、育成会長からこのようなメールが届いた。
「Hちゃん考案で、クリスマス会の中で、クリスマスすいか割りをすることになりました。くす玉のようなものを午前中のワークショップで子どもたちに作ってもらう時間はありそうですか?」
Hちゃんはワークショップ常連の1人で、かなりのアイデアマンである。クリスマス会でスイカ割りとはさすがだ。しかし今思えばこれはくす玉ではなく、”くす玉のようなもの”だった。深く考えずに天井から吊すスイカをつくってしまった。

 

クッキーは人気!

今に始まった話ではないけれど、アート、もしくはワークショップは広く一般的に人気のあるものとは言いにくい。アートの認知度を上げるためにワークショップが行われることもあるが、その効果は実際どれほどのものなんだろう。それに比べて、クッキーの人気と言ったらとても比べものにはならない!リクエストされたくす玉のようなものづくりは思ったほど盛り上がらず、結局大人でやる事になってしまうほどに、クッキーの食いつきがよすぎた。
アイシングクッキーとは、粉糖や卵白に水をまぜたものを、コルネ(絞り袋)から絞り出してクッキーを飾り付けたものである。お菓子作家おいしいあさね房さんに協力をしてもらい、ツリー型とリースをイメージした円形のクッキーの2種類に好きに絵を描いてもらった。あさね房先生に教わったいくつかの技を試し、よい出来栄えに食べるのをもったいぶる子もいれば、聞いた話はなんのその、ただひたすらに甘さを求めてアイシングを山盛りにして見る間もなくかぶりつく子もいたり。一応お持ち帰り用に、と思っていたけれど、大半の子はその場で食べてしまったようだった。

ビンゴは(意外と)楽しい!

育成会のクリスマス会が僕の子どもの頃にあったかどうかは覚えていないが、こういうレクリエーションといえばビンゴなんだろうか。もう結婚式の二次会くらいでしか出会わないと思っていた。ある意味シラフでビンゴをやるのは成人してからは初めてだろう。しかしこちらもクッキーと同じように、やってみると意外に楽しい。それは子どもたちの本気さが伝わってくるからなのかもしれない。やはり何事も「誰とやるのか」が大事なんだろう。しかし子どもたちの本気さがどこからくるかと言えば、そう、景品欲しさからなのだ。そして聞いていておもしろいのは例えば「12」が出たときに「あー!惜しい!11ならあるのに!」というやつで、実はそれは惜しいというわけではないのに。
大人気なく1番にビンゴを出し、ひんしゅくを浴びたらおもしろいなあと思っていたけれど、大して盛り上がらないタイミングでビンゴになり、特に欲しいものも残っていなかったので隣の子どもが欲しそうなものをもらって、その子にあげてしまった。本当はサーモスの水筒を狙っていた。

他愛のない時間を共にする

もともと絵画や彫刻のような形のある作品をつくっているわけではない僕が、アーツ前橋からの派遣という形で南橘団地と関わっているわけだが、自分で言うのもアレなのだがアーティストの関わりというにはあまりに他愛のない時間を過ごしているような気がする。表現の森の始まった当初は、南橘団地の人と会議的なやりとりを繰り返しながらかっこいい”アートプロジェクト”を企て、カタログ映えする活動になっていく時間をイメージしていた。気がつけば育成会から声をかけてもらえるようになり、クリスマス会ではクッキーづくりをコーディネートし、リクエスト通りにスイカのくす玉(のようなもの)をつくり、ビンゴをして、最後はクリスマス会の司会をした。自分のコネクションや得意なことを活かした関わり方ではあるけれどもイメージとだいぶ違う。しかし、そこで会う人たちと「また学校でね!」なんて挨拶を交わせるようになってきて、この他愛のない時間は明らかに僕にとって心地のよい時間になっている。もう少し踏み込んだ何かをやりたい、という気持ちもなかなか根強く残っているのも事実だが、この他愛のない時間の先がどうなっていくのかを、見てみたいとも思っている。

中島佑太

日時20181216[] 19:00~16:30
会場=南橘団地第二集会室
対象=南橘町子ども育成会
持ち物=なし
参加費=無料
企画=中島佑太
主催=アーツ前橋
共催=南橘町子ども育成会

サポートスタッフ=吉崎亜紗子(おいしいあさね房)、木暮伸也(写真撮影)、菊本ありさ+成清あかり(群馬大学学生ボランティア)、今井朋(アーツ前橋)
参加者数=41人(子ども27名+保護者8名+群大ボランティア2名+スタッフ4名)
当日の流れ
09:00~11:30 中島佑太ワークショップ お菓子作り(主催:アーツ前橋、共催:南橘町育成会)
11:30~12:00 集会室で作品の飾りつけ
12:00~13:00 昼食
14:00~16:00 クリスマス会(主催:南橘町育成会)
16:00~16:30 片づけ


(執筆=中島佑太、撮影=木暮伸也、編集・投稿=中島佑太)

Page Top
×