WS(15) 子ども育成会クリスマス会


南橘町子ども育成会クリスマス会2019

クリスマスとくす玉

2018年に続き、南橘町子ども育成会からクリスマス会に呼んでもらえた。10月頃にお誘いをもらっていたのだけど、残念ながら日程が合わず諦めかけていた。ところが育成会会長さんから「今年の司会は子どもたちに任せてみようと思うので、くす玉や飾り付けの”ステキなアイテム”を期待している」というメッセージが添えられ、役員さんの都合で日程が変わったことが知らされた。参加できることになった!
事前に材料費の金額を教えて欲しいとも付け加えられていた。しかし、前日になんとレシートの入った財布を紛失し、当日に精算してもらうことはできなかった。(財布は、紛失した当日に交番に伝えたところ、その日の夜に無事に見つかり、クリスマス会終了後に取りに行くことができました。)
ステキなアイテムとはなんのことか皆目見当もつかなかったけど、今年もくす玉をつくりたいという声をいただいたので、それは昨年からの継続という意味では、ステキなストーリーを持つアイテムと言えるのかなと思う。昨年はとりあえず1つだったので、今年は低・中・高学年用として3セット用意した。くす玉をつくりたいというのは、一部の人の意見にすぎないのだが、まさか昨年のアイシングクッキーよりもくす玉を残してくるとは、正直おどろいた。会場では「今年はクッキーやらないのー?」という人はやっぱり何人かいたけど、トランプゲームのように『くす玉』『くす玉』と続いたら、やっぱり来年も『くす玉』になるんだろうか?(呼んでもらえるかは分からないけれど。)

定期的なくす玉づくりは…

今井学芸員と南橘団地でのプロジェクトを進めていく上で、ワークショップを定期化することについての是非を話したことがある。2016年から年度始めに毎度、その年の計画を(一応)立てている。しかし、その通りにはなったことがない。当初は2ヶ月に1度のペースで集会所や公民館でのワークショップを繰り返していくことを考えていたが、2016年当時はうまく地元との関係づくりに苦戦したこともあり、集客ができずそれは断念した。2019年の今は南橘町育成会と桃川小学校との関係ができているので、ワークショップを開催すればそこそこの人数は集められるだろう。しかし、2ヶ月に1度には遠く及ばず、公民館でのワークショップは年度に1~2回程度で、今年度は2020年2月29日に1度予定されている(※コロナウィルスの影響で中止)。アーティストという不安定な職業を考えると、定期的なワークショップがあることで収入面でも安心感が得られるという本音もあるし、間が空いてしまうことで彼らとの時間から拾い集めた物事をつなぎ合わせてみたものが、次会う頃には忘れられてしまうんじゃないか、という不安も尽きない。しかし、私たちのプロジェクトでは定期化を目的とせず、常に設計をし直すスタンスで進めていこうと考えている。
とは言え、こうして1年経っても、前と同じようにくす玉をつくりたいという声を届けてくれる人たちがいる。「毎年南橘町のクリスマス会では、くす玉をつくることになっています」的なことになったとしたら、それは定期化なのかはさておき、僕が考える『設計をし直し続けること』とは、過去の出来事から未来の活動を設計することではなく、現在の活動によって過去の出来事を設計し直していくことなんじゃないか。

カメラマンは泳げるか泳げないかで決まる

最近の活動は、岡安賢一さんに動画撮影に入ってもらっている。岡安さんは中之条ビエンナーレでも有名な群馬県中之条町在住のドキュメンタリー系のカメラマンである。初めて出会ったときのことはあまり記憶にないが、岡安さんから見た僕はあまり印象がよくなかったらしい。
そんな岡安さんは泳げないらしい。一緒に泳ぎに出かけたことはないので、本当にどこまで泳げないのかは知らないが、スチール撮影をお願いしている木暮伸也さんと南橘団地で一緒になった時に、同じカメラマンを区別するために”泳げる”カメラマンと”泳げない”カメラマンに分けたことからそのイメージが定着したようだ。そんなレッテル貼りのようないじられポイントは功を奏し、子どもたちに覚えてもらえるキャッチーポイントになるだけではなく、手作りのクリスマスリース風浮き輪をプレゼントされるほどである!岡安さんは律儀にそれを嬉しそうに持ち帰ろうとしていたのだが、帰り際に気がつくと荷物の上から浮き輪がなくなっていた。誰か知っていたら教えて欲しい。
ちなみに岡安さんはよくしゃべる。記録動画にも自分の声がよく入っている。泳げるカメラマン木暮さん撮影のスチールにもよく写っているし、木暮さんも動画に写っている。本来ならばきっと、カメラマン同士は写り合わないように立ち位置を気にし合うはずのところ、むしろお互いに写あうかのように映り込み、声が聞こえてくる。子どもたちから泳げるか泳げないかでいじられるくらいに、カメラマンの両氏ともに南橘周辺の人々と関係を深めている。中島佑太×南橘団地と名前がつき、美術館からアーティストが派遣される構図にあると、僕だけが登場人物のように聞こえてしまうが、そうではない。このプロジェクトを一緒につくってくれている複数の大人が南橘の人々と関わっている。保護者や学校の先生以外に、アーティストやそれを支える人々、カメラマンなど多種な仕事があり、多様な生き方があることを知ってもらいたいし、泳げない大人がいてもいいんだというのは、力強いメッセージなのだ。
余談だが、ビンゴをやるたびに「あー11かー!12だったらあったのに惜っしい〜!」というアレって、ほんとに惜しいのだろうか?

中島佑太

日時=2019年12月15日[日] 9:00~17:00頃
会場=南橘団地第二集会室
対象=南橘町子ども育成会会員
参加費=無料
企画=中島佑太
主催=アーツ前橋
共催=南橘町子ども育成会

サポートスタッフ=岡安賢一(動画)、今井朋(アーツ前橋)
参加者数=午前の部25名(スタッフ等関係者含む)、午後の部75名
当日の流れ
09:00~12:00 クリスマスツリーの飾り付けとくす玉づくり(主催:アーツ前橋、共催:南橘町育成会)
12:00~13:00 ランチ
13:00~14:00 自由時間(外で遊ぶ)
14:00~16:00 クリスマス会(主催:南橘町育成会)
16:00~16:30 片づけ


(執筆=中島佑太、撮影=今井朋、編集・投稿=中島佑太)

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